応援という、見えないバトンをつないでいく

今回は、2月15日に開催した
永平寺町を巡る街歩きイベント
「ぐるぐる探偵団」に参加してくださった方にお話をお伺いしました。
永平寺町で感じたこと、ぐるぐる探偵団の取り組み、そしてご自身の活動についてお話を伺いました。

今回お話を聞いたのは、
金沢の大学に通いながら、若者の居場所づくりや、

街の未来について行政と地域の人をつなぐ活動を行っている山下愛結さん。

学業、将来、地域。
さまざまな課題を、まさに「ぐるぐる」と巡りながら活動する山下さん。

ご自身の想いや、これからについてお話をお聞きしました。

山下愛結

料小松大谷高校から金沢星稜大学へ入学。現在は一般社団法人YOUTH PACEでの中高生の居場所づくりや、長年続けている陸上競技のコーチを務める。また、株式会社すみかのインターンとして母校の探究学習を支援し、株式会社ガクトラボではイベント企画や広報を経験。現在は地域と学生を繋ぎ、一人ひとりの挑戦を応援するコーディネーターとして活動中。4月より正社員として、さらなる若者の伴走支援に注力する。

ドスン。

——永平寺町の印象はどうでしたか?

山下:「住宅街の中に、お寺や神社、昔からある建物が自然に残っていて、

それが今の暮らしと一緒に混ざっている感じが印象的でした。」

——永平寺の印象は?

山下:「永平寺に入ったとき、まちを歩いていたときとは空気が急に変わった感じがしました。
温度も少し違うように感じたし、

木々に囲まれた入り口や建物の大きさもあって、とても印象に残りました。

音でいうと…
ドスン!(笑)

うまく言葉にするのは難しいのですが、少し“重たい”感じがあって、

長い歴史や、そこに積み重なってきた人たちの思いが詰まっているように感じました。

それが迫力というか、すごく心に響くような場所でした。」

あなたの目を借りて街を見る

——街歩きをしてみてどうでしたか?

山下:「「普段はあまり、まちをじっくり歩くことがなかったので、とても新鮮でした。

もし一人で歩いていたら、きっと気づかないようなものを、

みんなが立ち止まって見ていたのが印象的でした。

きっとこのメンバーだからできた会話なんだろうって。

例えば、古い看板の文字を見て
『この文字かわいい』
『素敵だね』
と話したり、駅で電車を眺めたり。

普段なら何気なく通り過ぎてしまうような場所でも、

みんなで見ているとまったく違うものに見えてきました。

『こんな視点があるんだ』と思えたことが、とても面白かったです。

誰かの目を借りて街を見ているような感覚があって、それが新鮮でした。」

あなたの物語をおしえて

——山下さんの活動について教えてください。普段はどんなことをしていますか?

山下:「現在は、いくつかの活動に関わっています。

ひとつ目は、ユースコーディネーターとして、学生と地域をつなぐ活動です。
今は行政と地域の方と一緒に、

「金沢をより良くするための施策」を考えるプロジェクトに参加しています。

二つ目は、ユースセンターでの大学生ボランティアスタッフとしての活動です。
ユースセンターを応援する立場として関わっています。

三つ目は、地域の高校での探究授業への関わりです。

そのほかにも、私の原点として陸上部のコーチとしての活動も続けています。」

——現役大学生として幅広い活動をされていますが、きっかけはあったのでしょうか?

山下:「小学生の頃からずっと陸上を続けていて、大学でも部活を続けていました。

ただ、大学に入ってからは「高校のときほど、部活だけに打ち込む気持ちにはなれない」と感じていて、

何か新しいことをしてみたいと思うようになりました。

そんなときに出会ったのが、ガクトラボで活動しているユースコーディネーターの方でした。

そこで『何に興味があるの?』と聞かれて、もともと教育にも興味があったので、

子どもに関わることに興味があると話しました。そうしたら、紹介してもらって、

そこから少しずつボランティア活動に関わるようになり、

留学の経験なども重なりながら、今の活動へと広がっていきました。」

「あなたと一緒にやりたい」——求められるという応援

「自分が“やりたいです”と言ったときに、
“それいいじゃん、やってみよう”って言ってくれる人がいたんです」

そんなふうに応援してくれる環境が、山下さんにとって大きな支えになりました。

特に印象に残っているのが、ガクトラボで出会った 高山さんの存在です。

「“信じてるよ”って言葉で言うわけじゃないんですけど、

行動から“信じてくれている”ことが伝わる人でした。私の存在そのものを信じてくれているんだと思えたんです。

それが安心感につながりました」

言葉ではなく、関わり方で伝わる応援。

ありのままを受け入れてくれる存在が、山下さんの背中を押しました。

もう動かない脚を、動かす応援の力

山下:「さまざまな活動に関わる中で、
忙しさが重なり、気持ちがいっぱいいっぱいになってしまったこともありました。」



『この企画には本当に意味があるのだろうか』
そう思い、力が入らなくなってしまった時期もあったといいます。

「もうどうしたらいいか分からなくて、高山さんに相談しました」
その後、図書館のカフェで何時間も話をしたそうです。
企画の目的は何なのか。
どこをゴールにするのか。
自分は本当は何をやりたいのか。
一つひとつを言葉にしていく時間でした。



山下:「全部吐き出してみて、なんだか温泉に入ったように肩の力が抜けました。(笑)

もう一回この人たちのために頑張ろうと思えたんです。」

応援という見えないバトン 

——3年後、どんな姿になっていたいですか?

山下:「人を幸せにできるコーディネーターになること」です。

「私の中で大事にしているのが“応援する・応援される”という一方通行じゃない関係性なんです

学生時代、応援してくれる人がいたことで人生が変わったと感じています。

すごく応援してくださる方がいて、本当に幸せだったんです。

だからこそ今度は、自分が誰かを応援する側になりたい。

そして同時に、応援されるくらい魅力的な人でもありたい。」

見えない応援の力

永平寺という場所は、
その昔、道元禅師という一人の移住者と、地域の人々の支えによって生まれました。

そして今も、長い時間の中で祈りや思いが積み重ねられています。 

山下さんが感じた「ドスン」という重みも、山下さん自身が、

これまで多くの応援を受け取ってきたからこそ感じられた感覚なのかもしれません。

応援は、目に見えるものではありません。

けれど 「あなたならできる」と信じる気持ちは、確かに人を前へ進ませます。

もし誰かに応援されたいと思ったとき、 永平寺を訪れてみると、

そんな見えない応援の力を感じられるかもしれません。

ZEN AIR EIHEIJIより

ZEN AIR EIHEIJIでは山下さんが体感した街歩き・永平寺散策ツアーを実施しています。

詳しくは、お問い合わせください。